エイズという病気とあなたの生活、治療について 知っておきたいこと |
| ■”エイズ”は慢性疾患になってきた | |
| エイズという病気は死病から慢性疾患へ発見されてからの20数年間に劇的に変化しました。 1981年、アメリカに突如現れた「エイズ」は、原因がわからず感染し、治療法がなく、死亡率が高かったため、社会一般にはもちろん、医療現場でも恐れられ差別にさらされました。1985年までは救急車さえ乗せてくれなかったことがありました。エイズは特別な病気でした。 HIV抗体検査ができるようになり、病気の進行はCD4陽性T細胞数で見ればよいことがわかって、1986年、エイズは少し特別な病気に変わりました。1987年に最初の抗HIV薬であるジドブジン(別名=アジドチミジン、商品名レトロビル、AZTという頭文字表記が有名)が発売され、日和見感染症の治療や予防が進歩しました。 1995年にはエイズはもっと普通の病気に近づきました。HIV-RNA検査*1で病気がどう進行するか予測できるようになって、治療のよい指標になることがわかり、プロテアーゼ阻害剤をはじめとするいくつかの薬を組み合わせてのむことで、完全治癒はまだ無理でも、よい健康状態を保つことができる、コントロールができる病気になりました。 以前は病気に詳しい医師が診ても、そうでなくても患者は決まって発病し、死亡していきましたが、最近は詳しい医師が診れば患者の状態が良くなり、生活の質も明らかに向上しています。病気で倒れてから感染がわかった場合でも、多くは治療によって社会復帰が可能になっています。 AIDS発症前に感染がわかれば発症を防ぐことも十分可能になってきています。 HIVを持っているということが決して死を意味するものではなくなり、そうした治療の進歩にしたがって病気の呼び名も「エイズ」から「HIV感染症」へと変わりました。HIVというウィルスとどううまく付き合っていくか、それをどうコントロールするかという長い目でみた治療が必要な病気になったためです。 HIVに感染したことで昨日までの生活が突然崩れ去るものではなく、明日も昨日までと同じ生活を続けることができます。あなたが生活を変えることを望まない限り......。 *1 HIV-RNA検査:HIVの遺伝子の一部を科学的に数十万倍〜数億倍に増幅して血液中のウィルス量を測定する検査法。まだ服薬治療をしていない人では、治療の開始時期を判断するために、治療を開始した人ではどの程度効果が上がっているか、他の薬に変えるべきかどうかなどを判断する指標として行われています。 |
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| ■HIV感染症とは? | |
| HIVは名前の通り(Human ImmunoDeficiency Virus=ヒト免疫不全ウイルス)人の体の中でしか増殖できない病原体です。その上、HIVが寄生する細胞は限られていてその主なものが、CD4陽性細胞(CD4
、T細胞とも呼ばれています)です。本来はウィルスや細菌と闘うためにあるものですが、HIVはCD4の中に自分の遺伝子を送り込んで、まるでCD4そのもののような顔をして自分の子孫を作るようにプログラムを書き換えてしまいます。HIVに侵入されたCD4陽性細胞はHIVの子孫を作り続け、やがて力を使いつくして死んでしまいます。 私たち人間の免疫機構は、それでもHIVをやっつけようと100%以上の力を発揮してがんばるのですが、やがてそれも追いつかなくなりCD4細胞が減り始めるとHIVが勢力を拡大して、さらにCD4が減ることになり、免疫機構が低下していきます。 一般的には、治療しなければ5〜10年くらいでAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症するといわれています。発症というのは、もともと持っていた害にならないような細菌などが免疫がそれをおさえられなくなって、病気として出てくることです。 下の図はCD4がどのくらいなら、日和見感染症が出てきたかを表にしたものです。しかし、誰もが発症する目安というわけではなく、早い人はこのくらいから出てくる可能性があるので、CD4がこのくらいになったら、自分の体の変化に注意しましょうという、目安と考えてください。 これらの病気は、免疫力が低くなるのをみて出てくるため「日和見感染症」と呼ばれています。 こうした日和見感染症を予防をするには体の状態を常に知っておくことが必要なのです。 日頃の健康管理も重要なポイントになります。 |
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| ■経済的な心配やその他のことを相談したい時 | |
| HIVは医療費が高いという情報が流れているため、この点も心配でしょう。 でも、そんなに心配はいりません。健康保険はもちろん使えますし、あなたが望むなら公的な助成制度(身体障害者手帳の取得に伴う医療費助成制度)を利用することもできます。これらは、都道府県市町村によって少しずつ違いますから、まずはお住まいの地域の自治体が提供しているHPの「障害者福祉」のページなどでおおまかな内容を知ってください。 HIVに感染した人がこれまでたどった経過や、感染を知った時の不安をどう解決したかについて、他の感染者の情報が欲しい方は、ぷれいす東京とそこに関わっているポジティブの人々が提供しているネスト(Web NEST)を訪れてみてください。また制度について簡単に知りたい方は、Positive Streetの「医療と福祉」をごらんください。 全国には、こうしたHIV感染者のサポートをしている団体がたくさんあります。まずは電話相談などを利用して情報を得てみることもいいでしょう。また、NETの情報が欲しい場合は、LAPが提供しているサイトで検索すると便利です。 |
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