HIV陽性のあなたが感染症にかからないためには
| 「セーファーセックス」の実践 セックスをする場合いつもコンドームを使うことが大切です。ラテックス製コンドームはあなたとあなたのパートナーの両方を守ってくれます。ヘルペスやヒトパピローマ・ウィルス、または抗HIV薬に耐性を持つ新種のHIVに感染するリスクを減らしてくれます。 女性用コンドームについてはまだ十分な研究がなされていないために、どの程度の効果があるかははっきりしたデータはないけれど、リスクを下げることは確実です。 直腸由来の感染症のリスクを減らすには、口腔が糞便に触れるようなセックス(口腔―肛門接触)を避けた方が無難でしょう。 仕事も仕事以外の行動も安全に ある種の活動や仕事は結核感染のリスクが大きいのです。つまり、次のような職場で働く場合のことなのですが。 ホームレス・シェルター、病院、診療所、施設療護院、または刑務所…などなど。どんな環境で働いているのか、主治医に相談した方がいいでしょう。主治医なら(あなたがどんな職種かによって)どのくらいの頻度で結核検診をうけるかを提示してくれるでしょう。 子供と一緒に過ごす時間が長い人も注意が必要です。保育園などに通っている子を持つ親や、そうしたところで働いている人の中には、子供たちからサイトメガロウィルス感染症(CMV)、クリプトスポリジウム感染症、A型肝炎、ランブル鞭毛虫症などをもらってしまうリスクが増えています。しかし、一定の衛生基準を守ればリスクを減らすことはできます。まずは、おしめを替えた後と尿や唾液に触れた後、必ず手を洗うことです。 お子さんがHIVを持っているなら、サポートをしてくれる人に、お子さんの状態に注意してくれるよう告げるべきです。 動物と触れ合う機会の多い仕事(獣医、ペットショップで働いている人、農場や屠場など)の場合、クリプトスポリジウム感染症、トキソプラズマ症、サルモネラ症、カンピロバクター症、バルトネラ感染症のような伝染性の病気にかかるリスクは他の人より高いでしょう。ただ、これらの病気にかかるリスクの程度は、あなたが仕事をやめなければならないほど高いものではありません。けれど、次のような点に特に注意した方がいいでしょう。 ・若い家畜(下痢症状がある場合は特に)との接触を避ける。 ・ガーデニングやその他土に直接手を触れた後は必ず手を洗う。 ・ヒストプラズマ症がよくある地域に住んでいる場合は、鶏小屋の掃除や、洞窟の探検、鳥の巣があるような場所での土掘りなどは避けたほうがいい。 ・コクシジオイデス症が一般的な地域に住んでいる場合は、発掘現場や砂嵐のような土ぼこりをかぶることを避けた方が無難でしょう。 ペットと暮らす時の注意事項 ペットを飼うということは、HIVを持つ人にとってはある種の感染症のリスクがあるわけですが、そうしたリスクの多くは避けることのできるものです。ペットと接することは、心を豊かにしてくれる、また優しい気持ち、心地よさを与えてくれるなど多くのよい面がありますから、何もペットを飼うことを諦める必要はありません。あなたもペットもより健康的であるようにするには次のようなことを心がければいいのです。 ・ペットが下痢をしたらすぐに獣医の診察を受けること。もし、その下痢があなたに有害である可能性がある細菌が原因ならあなたも診察を受ける必要があるでしょう。できれば、友人などにペットの世話を頼んだ方がいいでしょう。 ・ペットと触れ合った後は、飲食の前に必ず手を洗うことが大切です。それと、ペットの糞に直接触れることは避けるべきです。お子さんがHIVに感染している場合は、ペットと遊んだ後必ず手を洗うように習慣づけましょう。 ・新しく犬や猫を飼いたい場合、あなたのクリプトストリジウム感染のリスクを減らすためには、生後6ヶ月以上たっていること、下痢をしていないことが条件になります。 ・あなたが飼う前ペットがどこにいたかも重要です。繁殖施設、ペット・シェルター(飼い主が飼えなくなった動物の救済施設など)、ペット・ショップ、のあるものは他より衛生管理が行き届いています。 ・捨て猫・捨て犬や迷子になった動物などは避けた方が無難です。子犬や子猫を飼うと決めたら、その動物があなたに感染するような病原体を持っていないかチェックした方がいいでしょう。 ・猫を飼っている場合、その寝床は毎日、できればHIVを持っていず、妊娠もしていない人に掃除してもらうことが望ましいでしょう。猫は室内で飼い、ネズミやその他の動物を捕らせないように。また、生肉や火が通っていない肉を与えてはいけません。 ・猫に引っ掻かれたり、噛みつかれたりするような遊びも避けた方がいいでしょう。もしそうしたことがあった場合は、すぐに傷口を洗ってください(流水で)。開いている傷口を猫になめさせてはいけません。ノミの駆除もあなたとあなたの猫両方の健康を守るために大切です。 ・ハチュウ類(ヘビ、トカゲ、イグアナ、カメなど)との接触を少なくすることでサルモネラ菌感染の危険が減らせます。水槽を掃除する時はゴム手袋をしてください。サルやアライグマはじめ、外国産の動物との接触もこれまで経験のない感染症にかかるおそれがあります。 食物と水についての注意事項 食べ物や飲料水で病気になるのを防ぐには次のようなことに気をつけてください。 ・生や完全に火の通っていない卵(オランディズソースやシーザーサラダドレッシング、マヨネーズなど生卵が原料の食品も含む)を避けること。 ・生肉(鶏、豚、牛など)や生の魚介類、低温殺菌されていない乳製品を避けること。鶏肉、獣肉とも仲間でピンクでないように火を通すこと。安全性を保つには、牛肉で中心部が華氏170度、鳥類では180度以上であることが必要です。 ・野菜・果物も食べる前に念入りにあらうこと。 ・火が通っていない食品に触れた手やまな板、調理台、包丁などは、石けんと水で念入りにあらうこと。、特に生肉にに接触した場合は要注意です。 ・ひどく免疫が低下している場合、リステリア症(旋回症、珍しい病気ですが。)のリスクを減らしたいなら、ソフトチーズや調理済み食品に注意することです。例えば、デリカテッセン(調理済食品販売店)のホットドッグや冷肉の盛り合わせなどですが。食べる前に、湯気が出るまで再加熱した方が安全です。 ・湖水・河川の水は決してそのまま飲んではいけません。人や動物の糞尿が混入している可能性がある水中で泳ぐのも避けた方が無難です。また、水泳やその他の水上競技に関しても水を呑み込まないようにした方がいいでしょう。 ・あなたの住んでいる町で、飲料水に起因する病気が多発していたり、水を煮沸するよう忠告が出ている場合は飲料や歯磨きに使う前に1分間以上煮沸したから使ってください。個人専用水やミネラルウォーターを使うことでも感染症のリスクを減らすことができるでしょう。 ・住んでいる地域で実際に水道水を煮沸消毒するよう勧告がなければ水を煮沸消毒する必要はないでしょう。たとえあなたが望んでいたとしても。水道水を完璧に排除するのは不便であるし、高くつくので、このことに関しては主治医と相談してみてください。 ・あなたが全く水道水を使わないことを選ぶなら、公共の場所で湧き水飲料としてサービスされる氷も感染症の原因となる汚染された水から作られた可能性も考慮に入れるべきでしょう。 ・瓶詰や缶詰の炭酸ソフトドリンクは飲んでも安全です。開栓されるまでは冷蔵する必要のない(グロサリーショップの棚に冷蔵されずに置いてある)非炭酸系ソフトドリンクやフルーツジュースも安全です。冷凍濃縮果汁もまた、安全な水源から得た水で薄めるなら安全です。 ・冷凍されたものではなく単に冷蔵されたジュースを飲む場合は、「低温殺菌」の表示があるものを選ぶこと。ちゃんと冷蔵する必要があります。醸造酒の安全性についてのデータはありませんが、その他の低温殺菌された飲み物やビールも安全であると考えられています。 旅行について 免疫が低下しているHIV感染者にとっては特にリスクが高いでしょう。先進国で暮らす人々にとって、途上国への旅行は先進国を旅行するより食物由来、水由来疾病のリスクが高いのです。旅行前に主治医とよく相談した方がいいでしょう。 ・食べ物と飲み物に関しては十分注意しなければならないことは覚えて置いてください。路上の物売りから氷や生野菜、果物、生水、生の魚介類や火が通っていないもの肉類、牛乳や乳製品や食品を買うのは避けた方がいいでしょう。 ・蒸し物も含めた加熱食品や、自分で皮をむいた果物、瓶詰(特に炭酸系)飲料、コーヒーまたは紅茶、ビール、1分以上煮沸した水(沸騰させた水)は一般に安全と言われています。 ・ヨウ素や塩素で消毒された水は、煮沸消毒ほど有効ではないかもしれないが、多分かなり効果的ではあるだろう。多分、煮沸ができない時の濾過程度には効果があるでしょう。 旅行者の下痢を防ぐ薬が感染症のリスクを減少させることを証明している研究がありますが、それはHIV感染者に限定した調査ではありません(つまり、特定の抗下痢剤が効果的かどうかはわかりません)。 旅行前に嘔吐や下痢を防ぐ薬を予防的に服用することは一般的にすすめられてはいないけれど、あなたとしてはこの問題について主治医と話してみるのもいいかもしれません。あなたが下痢しやすい体質なら抗生物質を持っていった方がいいでしょう。 ・こんな時はすぐに医師にみてもらってください。 ▽もし下痢がひどく薬をのんでもよくならない。 ▽下血があった ▽脱水症状になった ▽熱がある(寒気を伴うか伴わないかにかかわらず) 土や砂が直接皮膚につくようなことは避けた方がいいでしょう。特に、土壌が動物の糞便で汚染されている可能性がある場合は気をつける必要があります。靴をはき、肌を被う衣服を着用したほうがいいでしょう。ビーチではタオルを敷いてから座ることです。 予防接種についても、主治医と詳しく話し合う必要があります。かなりの場合、HIVポジティブであっても予防接種はオーケーだけれど、いくつかのワクチンはHIVを持つ人に使用するのは危険とされています。あなたがある種のワクチン接種ができないなら、あなたの主治医は特別な指示をすることもあるでしょうし、あなたの旅行先によっては、主治医は真菌症や原虫感染を予防するための知識についても話したいと思います。 (2001年10月更新 アメリカ家庭医学会) |
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