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【参考資料】
オーラルセックスは安全か?
                           (財)エイズ予防財団
                            国際協力部長 桜井賢樹

 米国医師会雑誌の3月8日号に、「HIV感染―オーラルセックスは安全か?」という論説が載ったので紹介する。
 本年1月に開かれた第7回レトロウイルス・日和見感染会議(CROI)において、サンフランシスコの男性同性愛者を対象にした調査結果が報告され、オーラルセックスによるHIV感染リスクが、一般に考えられているより高いというデータが発表された。
 調査は、米国疾病管理センター(CDC)、サンフランシスコ総合病院(SFGH)、それにカリフォルニア州立大学サンフランシスコ校(UCSF)の共同研究で実施され、HIVに感染して間もない男性同性愛者(両性愛者を含む)102人が対象となった。自記式質問票調査および面接調査の両方が用いられた。感染原因としてオーラルセックスが考えられた症例は、それ以外の感染経路の排除のために詳細について再調査された。医療記録の調査と、該当対象者およびそのセックスパートナーに対して継続的に実施した面接調査の分析の結果、男性との無防備なオーラルセックス以外に感染経路の見当たらない対象者が8人(約8%)見つかった。口腔内の損傷や歯茎疾患があって感染したのではないかと言う対象者もいたが、口腔粘膜に特に損傷はなかったと思うと言う対象者の方が多かった。
 この結果について、オーラルセックスは比較的HIV感染リスクが低いと一般的に考えられている予想より高いデータのため、公衆衛生関係者は懸念を抱いている。米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のA. Fauci 所長は、「公衆衛生に携わる者がオーラルセックスにも注意すべきだと言っても、一般の人々にはなかなか届かない。」と話している。本研究の主要研究者であるUCSFのF. Hecht は、「数年前に比べて無防備なアナルセックスはかなり減ったが、オーラルセックスは減っていないようだ。 オーラルセックスは、無防備なアナルセックスや経膣性交よりはHIV感染リスクが低いかも知れないが、決して安全ではないことを認識すべきである。」とコメントしている。
 日本でも、オーラルセックスによる性感染症感染の危険性については長く啓発されているが、一般にはきちんと認識されているとは言い難い。クラミジア感染症についてはオーラルセックスを介する感染が研究データとしても示されているが、HIV感染のリスクについては日本国内での詳細な性行動調査は難しく、データがない。今回示された、新規HIV感染者の約8%がオーラルセックスによるというデータは貴重であり、特に日本における最近の性風俗などの形態を考慮する時、オーラルセックスにおけるコンドーム使用の重要性が高まっていると言うことができる。
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