免疫にいいといわれる栄養素

感染症に感染すると次のようなことが起きてきます。
・エネルギーをたくさん消耗する(代謝過度)
・食べたものが栄養になりにくい(消化・吸収障害・代謝変調
・食べられない、栄養不足(口腔内、消化器官障害)

 つまり、
 ・感染後早い時期から必要栄養量は増加している
 ・栄養不良を起こしやすい疾病
 ・体のタンパク質量は免疫機能に影響する(体脂肪量は関係しない)
 というわけです。HIVを持つ人の健康管理に適切な栄養を取ることが大切になってくるというわけです。

感染症の人の栄養の基本
だから、栄養を摂る際に心がけたいことがあります。
(1)高タンパク質
(2)高エネルギー
(3)高ビタミン・ミネラル
ですが、脂肪代謝異常の問題もあるので、これらの食品をあまり多くとると、今度は別の面で問題が起こってきます(高脂血症など)。
それに、栄養学的にこうだからとあまり意識して好きなものも食べない、嫌いなものを無理して食べるというのはストレスの素。折角摂った栄養が無駄に使われることにもなります。あなたが、よほど偏食をするタイプでない限り、少し心がけておく程度で十分です。
納得のいくまで考え、主治医とも話し合ってみてください。

免疫力を高める成分を含む食品
しいたけ、エノキ、マイタケ(レナチナン)は以前から免疫を高めるといわれていました。
エビの殻・カニの殻(キチン質)は、傷の早い回復や髪の毛の健康などに働いてくれます。
ニガウリ、ジャガイモは加熱してもビタミンCが壊れにくいので果物が苦手な人には心強い見方です。キウイは果物の中でもビタミンCを豊富に含んでいます。
ただし、栄養素はお互い補い合っていることが多いのでやはりバランスのよい食生活が大切です。


<免疫機能別強化にいい栄養素>

免疫機能 強化するための栄養素 代表的食品
誰でも持っている自己治癒力 (1)機能的な防衛構造:皮膚・粘膜の免疫力 ニンジン
(ビタミンA)
アーモンド
(ビタミンE・マグネシウム)
キウイ
(ビタミンC)
エネルギー・タンパク質・ビタミンA・ビタミンE・葉酸
(2)細胞システムによる免疫力:ナチュラルキラー細胞など
ビタミンC・ビタミンB12・鉄・エネルギー・タンパク質
生まれてから獲得する免疫力 (1)液性免疫:Bリンパ球(抗体・メモリー細胞) レバー
(鉄、ビタミンB2、B6、B12、ビタミンA、葉酸、亜鉛、タンパク質を含む)
牡蠣
(銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、ビタミンB12、タンパク質を含む)
エネルギー・タンパク質・ビタミンB6・葉酸・セレン・亜鉛・マグネシウム
(2)細胞性免疫:Tリンパ球・ヘルパー(T4/cd4)、サイトトシック、サプレッサー
エネルギー、タンパク質、ビタミンB6.B2、ビタミンA・E・B12、葉酸、亜鉛、鉄、セレン
免疫にいい栄養素 その働きと豊富に含む食材
栄養素 はたらき 食   材 備   考
ビタミンA 免疫機能の維持。皮膚・粘膜の再生、目を正常に働かせる。
消化器や呼吸器の感染に対する抵抗力を高める
ウナギ、レバー、チーズ、ニンジン、春菊、ホウレンソウ、ニラ、カボチャ、マンゴー 摂り過ぎると体内に蓄積して、髪が抜ける嘔吐や下痢皮膚の角化と剥落発疹、疲労、生理不順肝臓肥大などの害もある。妊娠時は特に注意。
ビタミンB1 疲労回復、糖質・タンパク質・脂肪の代謝。成長促進神経を正常に保つ。消化液分泌を促進し食欲を増進する 肉類、レバー、ウナギ、たらこ、大豆、ピーナッツ、枝豆、栗、卵黄、ビール酵母、玄米 不足すると、むくみ心臓肥大疲れやすくなる気だるさや食欲減退血圧異常などが起こる。
体内で貯蔵がきかないので常時補給すること。
ビタミンB2 健康な髪、爪、肌をつくる。口内炎の予防と回復。成長促進。 ウナギ、レバー、酵母、海苔、茶葉、サンマ、イワシ、牛乳、豆類、肉類、納豆、アーモンド 不足すると、唇や口角の炎症舌炎、角膜炎、肛門陰部の皮膚炎、発育不良が起こる。
体内で貯蔵がきかないので常時補給すること。
ビタミンB6 タンパク質、脂質の代謝。抗アレルギー作用。神経の保護。 酵母、小麦胚芽、肉類(特に豚)、レバー、マグロ、サンマ、サケ、サバ、イワシ 不足すると、抗体や赤血球の生産が障げられる。貧血や視覚神経障害、脂漏性の皮膚炎、口角炎や舌炎、妊娠時の嘔吐、虫歯になりやすくなる。極端に不足した場合けいれん・ひきつけなどを誘引。
ビタミンB12 神経の働きを正常に保つ、赤血球産生に関係。肝臓の機能を強化。脂肪、炭水化物、タンパク質が適切に使われる様にする。 あさり、牡蠣、ハマグリなど2枚貝、レバー、無脂粉乳、卵黄、サンマ、イワシ、サバ、カニ、イワナ、サケ、発酵チーズ 不足すると、悪性貧血になったり、神経系に作用して、記憶力の減退や各種神経炎・神経痛、筋肉痛、中枢神経障害、神経異常などの原因となる。
ビタミンC 血管・皮膚・粘膜・骨を強くする。抗ウィルス作用、ストレスや疲労の回復。インターフェロン産生を促進。 グァバ、イチゴ、キウイ、ブロッコリー、オレンジ、グレープフルーツ、ミカンなど柑橘類、菜の花 酸化しやすく、熱などにより分解しやすいため、ビタミンCを多く含む食品でも保存法や調理法で含有率が変化するので注意。
ビタミンE 血管を丈夫にする。生殖機能維持。老化を遅らせる。抗酸化作用。動脈硬化防止。 ウナギ、植物油、小麦胚芽、カボチャ、ピーナッツ、ヒマワリの種、松の実 古い天ぷら油や即席ラーメンなどビタミンEを大量に消費するので注意すること。
亜鉛(Zn) 免疫機能維持。感染症予防。味覚・嗅覚の維持。 茶葉、生牡蠣、レバー、ホタテ貝、卵黄、アーモンド、蕎麦粉、玄米 通常は食品でまかなえるが、HIVを持つ人では少ないという報告も。欠乏すると成長および生殖機能の仰制、停止のほか皮膚や骨格にも異常がおこる。過剰摂取すると中毒もある。
セレン 抗体産生を促し、免疫機能を高める。発癌抑制。動脈硬化、血栓症、糖尿病予防。 高麗人参、にんにく、タマネギ、バター、ニシン燻製、イワシ、カレイ、ネギ、牡蠣、玄米、牛肉 欠乏するとビタミンE欠乏症と似た症状が起きる。ただし、大量に摂取する場合中毒症状を呈することもある。通常の食生活で十分。
葉酸 赤血球産生に関係。抵抗力をつける。口内炎予防。出産にも関与。 酵母、肉類、レバー、ブロッコリー、ホウレンソウ、オレンジ、メロン、大豆、黄な粉、 腸内細菌によって合成されるため通常不足は考えにくい。不足すると、巨大赤芽球性貧血、胃腸障害、胃腸や口の粘膜の弱化、下痢や胃腸炎、口内炎などが起こる。大量飲酒、ビタミンC過剰摂取がある場合は意識的に摂取するよう注意。
鉄(Fe) 体内で酸素を運搬。病気に対する抵抗力をつける。 肉、レバー、卵、ひじき、番茶、ゴマ、大豆、煮干、ハマグリ佃煮、牡蠣、アサリ、高野豆腐、ホウレンソウ、黒砂糖 赤血球中に多いが減っていくヘモグロビンの濃度を保つために、一日一定量を補給する必要がある。
汗や尿によっても一日1mg程 度が排泄され、女性の場合は月経により一日0・5〜1mgを消費するためより不足しやすい傾向にある。

2003年1月26日作成
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